治安マップについて書いた記事では、
用途地域の種類によって建てられる建物が変わるので、治安に大きく影響してくる
と紹介しました。
この記事の中で、用途地域についてもう少し詳しくご紹介したかったのですが、どうしても文字数が多くなりすぎるので、用途地域の詳細は独立させて、こちらのページでご紹介させていただきます。
治安に影響しそうな建物は建つのか、どんな地域なのか、どんな人に向いている地域なのか、それぞれの用途地域がどんな地域なのかを見ていきましょう。
用途地域を塗り分けた地図は、このページの下に張り付けております。
治安の参考になる用途地域の詳細について
治安マップでご紹介した、「用途地域」の詳細を解説していきます。
※日本では用途地域は13種類が用意されていますが、堺市では「田園地域」がないので12種類です。
※第二種低層専用住宅地域と準住居地域は、堺市内ではほとんどありません。
2022年9月時点で、第二種低層専用住宅地域は約20ha、準住居地域は約1.9haです。
第一種低層住居専用地域:静かでゆったりとした環境
建物を建てられる高さが10mや12m等に制限されているので、戸建や低層マンションがメインの地域です。
店舗は、50m2以下の床面積に制限されており、一般的なコンビニは建てられません。建ぺい率が低めに定められていることが多いため、庭付き住宅が多く見られます。
家のすぐそばにコンビニというような便利さには欠けますが、もっとも静かで穏やかな雰囲気な地域です。
便利さよりも環境重視の方に向いている地域です。
第二種低層住居専用地域:閑静な環境と、多少の利便性がある
こちらも、建物を建てられる高さが10mや12m等に制限されているので、戸建や低層マンションがメインの地域です。
一方、床面積150m㎡までの店舗がの建築が可能になるため、一般的なコンビニ等が建てられます。
静かで穏やかな雰囲気がありながら、少しの店舗もある地域です。
第一種中高層住居専用地域:ある程度の静かな環境、生活の利便性がある
店舗では、2階建以内で床面積500m2以下の店舗が建てられます。幼稚園~大学などの教育施設、病院、図書館を建てることができるので、生活はかなり便利になります。
住宅は建物の高さ制限がなく、マンションなどの中高層住宅を建てるための地域です。
低層戸建がメインの地域に比べると人通りが多くはなりますが、ある程度の静かな環境と利便性が両方ある地域です。
第二種中高層住居専用地域:中規模の商業施設が可能で、生活利便性が高い
第一種中高層住居専用地域よりもさらに大きな店舗を建築することが可能な地域です。
マンションなどの中高層住宅を建てるための地域で、かつ、利便性を求める人が多く集まりやすい地域だからか、スーパーに行っても、お惣菜や冷凍食品が充実した商品展開になっていることが多い印象です。
第一種住居地域:利便性を重視できる
住宅とともに、店舗(3000㎡まで)・事務所・ホテルなど、いろいろな建物が並ぶ地域です。
住居の環境を保護するための地域ではありますが、閑静な住宅街というより、利便性重視の地域です。
第二種住居地域:にぎやかな街
ボーリング場やスケート場、床面積10,000㎡以下であればパチンコ屋さんやカラオケボックスが建てられる地域です。
用途地域の定義が「主として住宅の環境を保護するため定める地域」なので、一定の住環境は守られる地域ではありますが、静かな環境よりも、遊べる環境に住むことを重視する方に向いているでしょう。
準住居地域:車移動がメインの方におすすめの地域
大きな道路の沿道に定められる地域で、「道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域」と定義されています。
建物の種類では、客席部分200㎡未満の劇場や映画館を建てることが可能です。
住居の環境の保護とともに、自動車関連施設の利便も図る地域なので、車移動がメインの方に向いているでしょう。
近隣商業地域:利便性と娯楽性を求めることができる地域
店舗や事務所、劇場や映画館などに床面積の制限がなくなります。利便性が高い一方で、人や車の往来が多いため、にぎやかな街です。
近くの住民が日用品の買い物などをするための地域なので、利便性重視の方におすすめしやすい地域です。
商業地域:にぎわいのある地域
商業地域の定義は、「商業その他の業務の利便を増進するため定める地域」とされており、商業ビルやオフィスビル・飲食店などが集中する地域で、ターミナル駅の周辺などが指定されることが多いです。
風俗施設の建築も認められています。
にぎわいを生み出す地域なので、騒々しくなりがちな地域ですが、まちなかでの暮らしを求めている方にはおすすめできます。
※「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」は割愛します。
用途地域を塗り分けた地図


治安だけじゃない!用途地域からまちの将来もイメージできます
例えば隣が空地になったとき、
「新しく高い建物が建って日陰になったらいやだな」
とか
「敷地ギリギリまで建物になって、風通しが悪くなるかも」
と心配になることもありますね。
そういうリスクにも、用途地域をチェックすれば、ある程度イメージできるのです。
たとえば、第一種低層住居専用地域であれば、建ぺい率もゆとりを持った低層の住宅が建つ可能性が高いです。もし、第一種住居地域だと、敷地をしっかり使ってマンションが建つ可能性もあります。
用途地域を確認することで、さらに、自分に合うまちを選びやすくなりますので、ぜひチェックしてみてください。
堺市の用途地域に関する情報は、市ホームページでも公開されています。