【写真:堺市役所展望ロビーからの堺区・西区方向の景色】
大阪府で人口・面積が2番目に大きく、大阪府の中南部にある堺市。
堺市は、政令指定都市なので「区」に分かれていて、堺区・北区・南区・東区・西区・中区・美原区の7つの区があります。
鉄道の路線は7路線、46個の駅があり、同じ堺市内でも、場所によって雰囲気・土地柄がぜんぜん違います。
まずは、実際の数字も使いながら、堺市がどんなところなのか、どんな人が住んでいるのかをお伝えしていきたいと思います。
そして、
【実は「共働き子育てしやすい街」ランキングで上位】
【治安は大阪府内全体より良い】
【生活コストが安い】
など、堺市の住みやすさ・住み心地がイメージできる色んなことを知っていただけたらと思います。
このページ以外にも、堺のまち選びの参考になるように情報をまとめています。
(目次はページの下部にも貼り付けております)
堺市ってどんなところ? 都会?田舎?
堺って、都会なのでしょうか、田舎なのでしょうか?
冒頭では、「場所によって雰囲気・土地柄がぜんぜん違います」と書きました。
答えは、「まあまあ都会」なところもあるし、田舎もある、というところでしょうか。
ここに写真をいくつか載せますが、これ、すべて堺市内です。
高層ビルも建っていますが、田園地帯もあります。
住宅地では、歩行者専用の道まであるゆったりした戸建エリアもあれば、マンションが並ぶエリアもあります。
世界遺産の古墳の景色もあれば、人気の工場夜景もあります。
【工場夜景写真の出典:工場夜景ガイドより「石津漁港」】
堺市は、決して大都会ではありませんが、場所によっては「まあまあ都会」「都市部」です。(個人の感覚によりますが)
大阪の中心部へも遠くないので、条件的には「田舎」とは言えませんが、場所によっては「田舎」の雰囲気がたっぷりと感じられます。
人が多くてゴミゴミした印象の大阪ですが、堺には、小鳥の声や木々のざわめきが聞こえるほど静かで緑豊かな住宅街もあります。
そして、古代から守られてきた世界遺産の景色も、近未来のような工場夜景もあります。
色んな雰囲気のところがあるので、
都会っぽい暮らし、田舎っぽい暮らし、いろんな暮らしができたり、
都会っぽい暮らしと田舎っぽい暮らしを混ぜたりできるところ、それが堺市だと思います。
堺市ってどんな人が住むところ?
堺市は、機械、金属、エネルギーなど色んな種類の企業がたくさんあり、日本屈指の産業都市です。
それだけでなく、農業のまち(大阪府の市町村別の農業産出額1位)でもあるのです。
もちろん、古くから(織田信長や豊臣秀吉の頃)「商人の街」として栄えた堺は、今もショッピングモールやデパートだけでなく商店街がいくつもあり、商業が元気なまちです。
大学も複数あるので、「学生のまち」になっているところもあります。
このように堺市は、大阪市のベッドタウンでありながら、農家、商売人、学生・・・といろいろな人が暮らすまちなのです。
なので、働き先もたくさんの種類があります。
オフィスでフルタイムで働くだけでなく、飲食や販売のアルバイト、農業の繁忙期のお手伝い、工場での作業、というふうに、人と話す仕事、黙々と打ち込む仕事、と自分の性格や生活に合う仕事で働いている人が多いようにも感じます。
また、堺市は、子どもが多い市です。
エリアによっては少子高齢化は進んでるものの、0歳~14歳の人口比率は、全国・府・大阪市よりも高い数字を保っています。
堺市は【共働き子育てしやすい街2023】関西3位!
日経xwoman(クロスウーマン)と日本経済新聞社では、「自治体の子育て支援制度に関する調査」を実施し、2015年から「共働き子育てしやすい街ランキング」を毎年、年末頃に発表してます。
2023年12月16日に公表された「共働き子育てしやすい街ランキング2023」において、堺市が関西で3位にランクインしました。
堺市は、2019年に全国6位にランクインして以降、2020年は全国11位、2021年全国8位、2022年全国9位となり、2023年は全国でのトップ10入りは逃したものの関西では3位に入り、連続して上位を保っています。
2023年の調査ランキングは、
・共働き世帯にとって子育てしやすいかの実態を把握するため、認可保育所の待機人数にカウントされない「隠れ待機児童」の数
・自治体の未就学児童数の増減
・自治体のダイバーシティ推進の取り組み
など、計44の評価項目から、保育園、病児保育、学童保育の実態に加え、自治体内の女性活躍推進、男性の意識改革の取り組みなどについても調査。
自治体が共働き世帯をどう支えているか、少子化問題にどう取り組んでいるかに切り込んで採点されたものです。
子育てしやすい街、という印象はありましたが、こういった形でしっかりと数字に出ているのでよかったな、と思います。
※日経DUAL(現・日経xwoman DUAL)と日本経済新聞社が、2015年から毎年実施しているこの調査は、調査基準も明確で、社会情勢の変化に合わせて調査項目も変えています。信頼がおける調査として位置づけられており、自治体も含めさまざまなところでこの調査結果が活用されています。
このランキングの詳細をご覧になる場合は、こちらからどうぞ
【写真:堺東駅前の街並み】
堺市の治安…大阪府全体よりも良いです
治安を知るのに、まずは2022年の犯罪率で比較してみましょう。
(犯罪率とは、刑法犯罪認知件数を人口で割って求める指標値のひとつです)
- 大阪府:0.78%
- 大阪市:1.22%
【犯罪率が大阪府全体より高い】 - 堺 市:0.63%
【犯罪率が大阪府全体より低い】
・刑法犯罪種及び手口別発生市区町村別認知件数:2022年1月~12月(大阪府警公表)
・人口:2020年10月(国勢調査)
つまり、堺市は大阪府全体よりも犯罪率は低く、大阪府内では治安が悪いわけではないということがはっきり言えます。
ただ、実際に住む街に求める治安って、犯罪がないのはもちろんのこと、
- 不審者がいない
- 酔っ払いがいない
(酔うのはOKですが「酔っ払い」はアウト) - たむろする人や騒ぐ人がいない
という地域であり、「安心して歩ける地域」こそが治安の良い地域だと私は考えています。
あとは、街灯や防犯カメラが設置されていればだいたい大丈夫かなと。
さらに、無関係の人がいるだけで違和感が生まれたり、印象に残るような地域だとより治安は守れると思います。(住民の目があるところ)
そうすれば、ひったくりや盗難などの犯罪も発生しにくい地域になると思います。
あくまでも「発生しにくい」ですが。
堺市には80万人を超える人が暮らし、市外の人も通勤・通学されています。
正直なところ、いろんな人がいるもんだな~と思います。
品のある方もいれば、失礼ながら「ガラが悪い・口が悪い」と感じてしまう方もいます。
堺の中で、治安がいいところはどこか。
それを見るための「堺市 治安マップ」を作りました。
ここで紹介するには長いので別ページを立ち上げています。
堺の治安に興味がある方は、堺市 治安マップをご覧ください。
また、堺市内の駅ごとに、周辺をクローズアップして、治安などの情報をまとめているページも書いています。
ご活用いただけると幸いです。
(ただし、「チンチン電車/阪堺線」の駅は除きます)
駅別のご紹介ページはこちらから
堺市のアクセス(電車)
堺市内のすべての駅は、天王寺、難波、心斎橋、梅田(大阪)の少なくとも1エリアへ1本の線路でつながっています。
たとえば、
●北花田駅(御堂筋線)は、天王寺まで12分
【なんばまで20分、梅田まで29分】
●堺市駅(JR阪和線)は、天王寺まで8分
【大阪まで28分、関西空港まで42分】
●堺駅(南海本線)は、難波まで11分
【関西空港まで33分】
●堺東駅(南海高野線)は、難波まで14分
堺市外のいろんなところへ通勤・通学できます。
大阪の中心部とも、近すぎず、遠すぎず。ちょうど良い距離感です。
梅田駅・大阪駅にも1本で行けるメトロ御堂筋沿線やJR阪和線はもちろんのこと、それ以外の駅からでも意外と色んなところへ繋がってます。
南海本線と高野線は、天下茶屋駅での乗り換え1回で京都の河原町駅に行けますし、難波での乗り換え1回だけで神戸へも行けます。
ただ、冒頭に載せた図を見ていただくとお分かりかと思いますが、駅のある地域は、市の北中部に偏ってます。
(駅が無いエリアには、路線バスや市の乗合タクシーがあります)
どの路線の沿線に住むかを迷う場合、よろしければこちらのページを参考になさってください。
堺市のアクセス(自動車)
堺市は、近畿(大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山・滋賀・三重)のほぼ中心の位置にあります。
そんな堺市の自動車でのアクセスは、かなり便利だと自信を持って言えます。
なぜなら、Amazonの西日本最大級の物流拠点が堺(堺区)にあるからです。
「大阪最大級」でも「関西最大級」でもなく、「西日本最大級」なのです。
高速道路のJCTや有料道路がいくつもありますし、中央環状線などの主要な幹線道路も通っているので、いろいろなところへ素早く商品を届けるのにちょうど良いのでしょうね。
堺の買い物
堺市内のデパート、ショッピングセンター、モールが豊富にあります。
堺市内にデパート?と思われるかもしれませんが、堺には髙島屋が2店舗あります。
堺の中心部である堺東と、もうひとつは泉ヶ丘で、どちらの髙島屋も駅に直結しています。
もちろん難波の高島屋大阪店より規模は小さく庶民的ですが、「デパートの商品展開」になっています。
ショッピングモールは、規模は色々ですがいくつもあるので、堺市内のほとんどのところ(人が住む所)は、ショッピングモールの商圏(来店が見込める範囲)でカバーされていると思います。
また、「食」では、つい行きたくなるところがあります。
新鮮な海産物では「堺中央綜合卸売市場」や「堺とれとれ市」です。
堺とれとれ市は、出島漁港にある魚介類の直売市場で、バーベキューコーナーやその場で食べられるお店があり、近場でありながら、旅先での高揚感や、遠足気分が味わえるところです。
野菜は、大阪府の市町村で農業産出額1位の堺市には、地場産の野菜の直売所がいくつもあり、新鮮な野菜を安く買えます。
市役所や区役所前の広場や、JAなどで定期的に直売されているので、私も利用しています。
すごく大きな白菜や大根があったり、壬生菜や日野菜、海老芋など、スーパーではあまり見かけない野菜があったりします。
野菜の直売は人気で、秋に大仙公園で開催される「農業祭」は、大勢の市民でにぎわいます。
堺市の地図を用意するなら(おすすめの地図)
ご紹介したように堺市は意外と広いので、初めて堺市に住む方は、ひとつで良いので紙の地図があると便利です。
グーグルマップは本当に便利だと思いますが、広い範囲を見るにはちょっと不便なこともあるかなと思います。
なので、私は昭文社というところが発行している地図を愛用しており、この地図とグーグルマップの併用がちょうどいいなと思っています。
広げると大きな1枚の地図で見ることができる堺市の全体地図の他、拡大地図、詳細地図の3つの地図があり、町名検索欄も付いています。
これは私が実際に使っている地図です。
2015年版を今も使っているので折れて破れてボロボロですが。
市の全体地図と主要部の地図が表裏になっています。
広げるとタテ94㎝×ヨコ63㎝くらいになる大きな紙に地図が印刷されています。
堺中心部の地図は、タテ44㎝×横62㎝くらいの用紙に地図が載っています。
ばーんと広げれば道路がどこに繋がっているかよくわかります。
コンビニなどのチェーン店はロゴマークで示してあったり、大きな建物は敷地ごと描かれていたり、グーグルマップよりも分かりやすいところもあります。
この地図に限らず、1枚になった地図をひとつ持っておくと、カーナビやスマホ、PCとは違った形で頭に入れることができるので、あえて紙媒体の地図を持つのはおすすめです。
堺の暮らしのコスト
住む場所によって異なると言われているコストについて、「堺は高いのか?安いのか?」を見ていきたいと思います。
必ず支払わなくてはならない費用だからこそ、きっちり知っておきたいところです。
このページのために調べてみて分かったのですが、堺市って結構お得に暮らせるようです。
簡単にご紹介していきますが、暮らしのコストの詳細は、「堺の暮らしのコスト(結構、安い)」でお読みいただけます。
堺市の水道料金は高い?安い?
水道料金は、住む市町村によって異なりますが、
堺市の水道料金は、全国平均や大阪府平均よりも安い料金設定になっています。
全国1345ヵ所のランキングで302位と、安い方の上位にランクインしています。
(100人に置き換えてみると、100人中、上位23位)
※口径13mm、使用料20m3の場合
【詳細はこちらから:「堺の暮らしのコスト(結構、安い)」】
市の指定の有料ゴミ袋はある?
堺市には市指定の有料ゴミ袋はありません。
透明または白色半透明の45L以下の袋に入れればOKです。
市指定のゴミ袋を買わなくていいのは、私はとてもありがたいと思っています。
【堺市での生活コストの詳細はこちらから:「堺の暮らしのコスト(結構、安い)」】
住民税は高くない?
住民税は、日本全国どこに住んでも原則同じです。
確かに、若干の差はあります。
その若干の差を見ていくと、堺市は、安い方の上位半分以内にいますので、あえて言えば、住民税は安い方です。
【詳細はこちらから:「堺の暮らしのコスト(結構、安い)」】
介護保険料は他の市と比べてどう?
介護保険料は40歳になると支払いが必須になりますが、介護保険料の金額設定は市町村によって異なります。
調べてみると、堺市の介護保険料は、安くはないが高くもない、という感じのようです。
介護保険の基準額は、
全国の月額平均で6千円弱、
堺市は 6,790円、
大阪市では 8,094円です。
※基準額での比較なので、実際の価格は所得や世帯の状況によって計算されます
堺市の介護保険料は、安くはないけど高くもありません。
高齢者の受け皿が多い市なので安くはないけれど、支払いが厳しいほど高くはない、ほどほどの額だと言えます。
【詳細はこちらから:「堺の暮らしのコスト(結構、安い)」】
堺市の家賃・土地の価格は?
単純に比較はできませんが、堺市の家賃相場を見ていただくと、大阪市内の中心部へ簡単に行ける割には、高くない価格、お得な価格になっているのが感じられると思います。
ちなみに、土地の価格は、国土交通省が公表している「地価公示」を見ると、堺市の住宅地は、2013年以降で7.2%も上昇しました。
堺市の商業地では24.9%も上昇しています。
特に、堺区・北区では上昇率が高い地点が多いです。
市内の南部では、上昇率は高くありませんが、それでも価格は安定しています。
堺区・北区は地価が上昇していますが、市内の南部で自身のスタイルと合うところを見つけることができれば、お得感のある家を手に入れられるでしょう。
【詳細はこちらから:「堺の暮らしのコスト(結構、安い)」】
その他の生活コスト
子育ては、「共働き子育てしやすい街ランキング」で上位にランクインしていることを書きました。
子育て支援については、他の自治体よりも手厚い支援制度・支援施設があることが分かります。
高齢者に対しても、「おでかけ応援制度」で交通費が100円になったり、市の施設の利用量が優待価格になったりします。
あと、堺に住むと当然になってつい忘れがちになるのですが、移動が自転車で済んでしまうので、交通費(車のガソリン代含む)がとにかく安く抑えられます。
買物に行っても大きな駐輪場があるところが多く、「駐輪無料」や、「駐輪2時間無料」とかで停められます。
堺市内はだいたいが平地なので、小さな子どもも自分の自転車で移動しています。
ということで、マイカーは持たずに、車はカーシェアだけで生活しているご家族もけっこういらっしゃいます。(カーシェアやレンタカーもたくさんあります)
堺でのんびり過ごすなら
ここまで、利便性や治安、コスト等を見てきましたが、最後は、まちの潤いを伝えたいと思います。
堺には大きな公園がいくつもあります。
ここで取り上げるとかなりのスペースになってしまうので、各区のページに記載しています。
→各区のそれぞれの紹介(ここからどうぞ)
堺の公園はそれぞれ特徴を出しているようなので、気分や目的で使い分けると良いでしょう
私のお気に入りは、古墳と大仙公園です。
【写真:上:大仙公園の芝生広場、下:庭園】
また、一般的には、まちなかで「緑があるところ」というと公園を思い浮かべる方が多いと思いますが、堺には、まちなかで緑がこんもりとしていたら、古墳だということが多々あります。
古墳の外周は、ウォーキングやランニングをしている方をたくさん見かけます。
【写真:初秋の仁徳天皇陵の外周(お堀)】
堺の古墳群は「百舌鳥・古市古墳群」として世界遺産に登録されています。
「ただ外から見るだけで面白くないなんじゃないの?」なんて悲しい質問を受けたこともありますが、そんなことはありません。
「外から見るだけ」だからこその魅力があるんです。
ひとつは、「想いを馳せる」ということです。
私は子どものころ、堺市内に住む親戚の家に行く途中、仁徳天皇陵という古墳の前を通っていました。父が運転する車の窓にへばりつくようにして、木々の隙間からお堀の奥へと目をこらし、「お堀の奥は昔に絶滅した生き物がまだいるかも」などと色々な想像を巡らせていました。
大人になった今は、千数百年も前に人の手で作られたこと、その頃の風景、そして、千数百年もの間、「これは●●天皇のお墓だよ」と語り継がれ大切に守られてきたこと、そういったものに思いを馳せています。
中に立ち入ることが許されない、「外から見るだけ」だからこそ、荘厳な存在感があるのです。
また、観光地にありがちな、「見ること、知ることがたくさん!」という状態にはなりません。千数百年前から存在する場所で風や陽の光を感じる時間は、がんばる必要がなく、ただ寄り添ってもらえる穏やかな時が流れているように感じます。
古墳の周りは、遊歩道や、緑と水辺の公園のように整備されていることが多いです。
堺に住むなら、どうか古墳に行ってみてほしいなと思います。
古墳をもっと知りたくなったら、古墳のガイドブックが楽しいので、ぜひご一読ください。
(とくに「ザ・古墳群」はおすすめです。スタンプラリーのように古墳を巡りたくなるかもしれません)
ザ・古墳群 百舌鳥と古市全89基 [ 「ザ・古墳群」制作委員会 ] 価格:1,650円 |
百舌鳥古墳群をあるく 増補改訂第2版 巨大古墳・全案内 [ 久世 仁士 ] 価格:2,200円 |