新しく住むまちについて確認しておくべきことは、最低限、次の3つです。
- 利便性:自分の暮らしに必要なもの(店・交通・学校など)はあるか
- 治安:安心して暮らせそうか・嫌な印象はないか
- コスト:どんなコストがかかるか(税金、保険料、指定の有料ゴミ袋など)
ここでは、自治体によって異なる【コスト】について、「堺は高いのか?安いのか?」を見ていきたいと思います。
もともとこの内容は「堺市の住みやすさ・住み心地」に書いていた内容なのですが、ボリュームが大きいので独立したページにしました。
いろいろ調べてみると、堺って結構お得に暮らせる自治体なんだと、私自身、改めて実感しました。
なお、確認すべきこと3つのうち、【利便性】【治安】は以下からどうぞ
堺市の水道料金…全国平均・大阪平均より低価格
水道料金は、市町村によって異なりますが、堺市の水道料金は、全国平均や大阪府平均よりも安い料金設定になっています。
全国1345の水道料金を比較したサイトから結果を引用させていただきます。
(参考:水道料金ランキング!1345市町村の順位を公開、6,000円の差も)
- 堺市:2,484円
- 大阪府平均:2,692円
- 全国平均:3,241円
堺市の水道料金は、全国1345ヵ所のランキングで、302位でした。
安い方の上位にランクインしています。
(ちょっと数字が分かりにくいので100人に置き換えてみると、100人中上位23位です)
この金額は、口径13mm、使用料20m3で算出されたものなので、
使用量が多いご家庭では、堺市内に住むことで、メリットを受けておられることと思われます。
指定のゴミ袋…無し
堺市では市指定の有料ゴミ袋はありません。
透明または白色半透明の45L以下の袋に入れればOKです。
市指定のゴミ袋を買わなくていいのは、私はとてもありがたいと思っています。
住民税は高くないか?…安めです
「豊田市はトヨタからの税収が大きいから、住民税が安い」「都市部は高い」「政令指定都市は高い」という都市伝説のようなものがありますよね。
ですが、住民税は、日本全国どこに住んでも原則同じです。
確かに、若干の差はあります。
その若干の差を見ていくと、堺市は、安い方の上位半分以内にいますので、あえて言えば、住民税は安い方です。
「住民税額の若干の差」とは、
例えば、日本全国の「課税所得200万円の人(年収200万ではありません※)」で比べると、住民税が高いところと安いところの差は、年額で約15,000円に満たない金額です。(2022年度時点)
※課税所得は、年収や所得額とは異なります。所得税を計算するための金額で、「総所得金額から所得控除を差し引いた金額」です。
つまり、総所得金額から、基礎控除・扶養控除・配偶者控除・社会保険料控除・ひとり親控除などを引いた金額のことになります。
住民税の税率には、税法上の標準税率があります。
ほとんどの市区町村がこの標準税率を採用しているため、堺市は安い自治体とは言えるものの、住民税の金額は日本全国どこに住んでも大差ないのです。
40歳以上は必須の介護保険料…安くないけど高くもない
日本では、40歳になると介護保険料の支払いが必須になりますが、介護保険料の金額設定は自治体によって異なります。
堺市の介護保険料は、高いでしょうか、安いのでしょうか。
残念ながら、自治体によっては介護保険料を公表していないところがあるようで、きっちりと比較することはできませんでした。
ですが、調べてみると、堺市の介護保険料は、安くはないが高くもない、という感じのようです。
介護保険を比較する時は、各自治体の「基準額」を見ます。
介護保険の基準額は、
全国の月額平均で6千円弱となっているそうです。
堺市は 6,790円、
大阪市では 8,094円です。
※基準額での比較なので、実際の価格は所得や世帯の状況によって計算されます
ただ、介護保険料に関しては、安いから良い、高いと無駄金ということではないと私は考えています。
介護保険料は、介護サービスを必要とする高齢者が多い自治体は高くなります。
高齢者向けマンションや老人ホームが多いと、高齢者数は当然ながら多くなります。
つまり、介護保険料が高いのは、介護の受け皿が多いからだとも言えます。
介護サービスを受ける高齢者が多い=介護施設が多い
という実態の影響なので、年を重ねても不安に思わなくてもいいという考え方もできます。
【参考】介護保険料が安い自治体は、山間部の自治体が多いそうです。
これは、山間部では、介護サービスを受ける人が暮らすには厳しいという実態があるからだと言われています。
山間部は、介護を必要とする状態になれば、平地の自治体に引越しする人も多く、かつ、介護サービスを提供する施設が少ないということが影響しているようです。
堺市の介護保険料に話を戻しますが、安くはないけど高くもないということで、
高齢者の受け皿が多い市なので安くはないけれど、支払いが厳しいほど高くはない、ほどほどの額だと言えます。
堺市の家賃・土地の価格…お得です
SUUMOやHOME’Sなどの不動産サイトでは、市町村・駅ごとに、間取り別の家賃相場が掲載されています。
間取り別に見ると、ワンルームや1Kに強いエリア、2LDKや3LDKくらいに強いエリア、部屋数は一般的でも全体に面積が広いエリア、など特徴があるため、そのまま比較することはできません。
それでも、堺市の家賃相場を見ていただくと、大阪市内の中心部へ簡単に行ける割には、高くない価格、お得な価格になっているのが感じられると思います。
ちなみに、土地の価格は、国土交通省が公表している「地価公示」を見ると、堺市の住宅地は、2013年以降で7.2%も上昇しました。
堺市の商業地では24.9%も上昇しています。
特に、利便性が高い堺区・北区では上昇率が高いエリアが多いです。
市内の南部では、上昇率は高くありませんが、それでも価格は安定しています。
堺市内でマイホームを買う場合、便利な堺区・北区に目が行きがちですが、南区などの南部でも十分に便利に暮らせるエリアがあります。
堺区・北区は地価が上昇していますが、市内の南部で自身のスタイルと合うところを見つけることができれば、お得感のある家を手に入れられるでしょう。
その他の生活コスト
子育ては、「共働き子育てしやすい街ランキング」で上位にランクインしていることを書きましたが、調査の中で、子育て支援が評価されていますので、他の自治体よりも手厚い支援制度・支援施設があることが分かります。
高齢者に対しても、「おでかけ応援制度」で交通費が100円になったり、市の施設の利用量が優待価格になったりします。
あと、堺に住むと当然になってつい忘れがちになるのですが、移動が自転車で済んでしまうので、交通費(車のガソリン代含む)がとにかく安く抑えられます。
買物に行っても大きな駐輪場があるところが多く、「駐輪無料」や、「駐輪2時間無料」とかで停められます。
堺市内はだいたいが平地なので、小さな子どもも自分の自転車で移動しています。
ということで、マイカーは持たずに、車はカーシェアだけで生活しているご家族もけっこういらっしゃいます。(カーシェアやレンタカーもたくさんあります)
結 論
堺市は結構お得に暮らせる自治体だと言えますね。
全国平均などよりも安い項目が多いです。
介護保険は平均より高いですが、それは介護の受け皿が多いからであり、介護のサービスがたくさんあるからなので、致し方ありません。
指定のゴミ袋を買う必要もありません。
堺市は、コストが低めの市であることが分かりましたので、安心して暮らしていきましょう。